【銘柄分析】6531 リファインバース

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こんにちは!
個人投資家のsoiyaです!

2020年は3月のコロナショックで全体的に大きく下げる時期があったものの、これを機に世界の主要な中央銀行において大規模な金融緩和が実施され、株式市場には良い環境となっています。

今回は、SDGsやESGに積極的に取り組んでおり、8月末には第三者割当増資を発表後に大きく株価を上げた【6531 リファインバース】について書きたいと思います。

(免責事項)私は投資運用業及び投資助言代理業等の資格は有しておりません。本銘柄について、売買を推奨するものではありません。開示されている資料について、趣味程度でまとめている記事にすぎませんので、売買にあたっては自己判断・自己責任において行っていただきますようお願い致します。損失等に対する責任は負いかねます。

マクロ環境

2020年3月のコロナショックではほぼ全ての銘柄が急落しました。

世界中の超異次元の金融緩和のおかげで、日本では6月までほぼ一直線の立ち上がりを見せました。
米国株については、200兆円規模の緩和(日本のおよそ倍)もあって、9月までは右肩上がりです。

さて、日本株においては、6月以降、ほぼ横ばいの状況が続いています。
下げすぎた分は既に戻しましたし、実体経済は現状で、落ち込んだままなので、これ以上上値を追うのも難しく、ヨコヨコしながら何か市場への好材料を待っている状況でしょうか。

また、9月に入った頃から、相場環境が変わり、菅政権誕生とともに新たなテーマ株が見直されるようになりました。デジタル庁の発足に向け、IT系の銘柄が盛り上がりを見せたり、毎日のニュースに反応しているようです。
売買する時は、今後どんな相場になるのかを気にしておくことが重要ですね。

SDGsについて

国内の大きな流れとしてはデジタル庁発足等の新たな流れもありますが、改めて見直されるべき流れとして、「SDGs」への取組みが挙げられます。

持続可能な開発目標(SDGs)とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成されています。
発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

17のゴールの中には、「持続可能な都市」「気候変動」「陸上資源」「海洋資源」などどいった、リサイクルや温暖化、プラごみ等、環境問題に関するゴールがあります。

資源を大切に使うということはもちろん、地球温暖化をはじめとする環境問題が悪化しないよう配慮されています。

詳しくは、外務省のHPも参考にしてみてください。

SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform

ESGについて

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。

上述のとおり、国際的な大きな目標として、SDGsがありますが、ひとつひとつの企業に落とし込んだ時には、ESGの観点を持つことが必要です。
ESGの観点がないと、国際的にも取り残されてしまい、長期的な成長ができない企業という評価になってしまいます。

こういった評価については、既に機関投資家の間で急速に広がってきています。
投資するか否かの意思決定において、財務的な情報だけでなく、ESGへの取組みについても評価項目に採用されてきているようです。

例えば、温暖化ガスを多く排出する原因となる石炭を生産・消費する企業は投資対象から外す、必要以上の大量生産により大量のゴミを出す企業には投資しない、反社会的勢力には投資しないといったようなことです。
逆に、新たな技術開発等により環境問題を解決するような企業に対しては積極的に投資するといったような動きもあります。

投資判断には、従来の投資先から排除するネガティブ・スクリーニングと、新規に投資先として取り込むポジティブ・スクリーニングがあります。
上述の例では、前者がネガティブ、後者がポジティブという具合です。

こういった「ESG投資」についても国際的な新標準になってきているのです。
また、国内においても年金を運用するGPIFでも投資判断のひとつとして取り入れるようになってきているようです。

【6531 リファインバース】

このような国際的な流れがあるなか、今回は、【6531 リファインバース】について書きたいと思います。

事業内容

事業内容は、再生樹脂製造及び販売事業と産業廃棄物処理事業です。
首都圏を軸に展開しており、オフィス等のタイルカーペットの再資源化に強みを持っています。
オフィス移転や新築・改築時には繁忙となるようです。
これらの取組は、エネルギー消費量やCO2排出量の削減に大きく貢献しています。

海洋プラスチックごみへの取組み

リファインバースでは、これまでの事業ノウハウを活かし、新規事業にも取り組んでいます。近年、国際的な問題となっている海洋プラスチックごみの問題に取り組むべく、使用済み廃棄漁網を中心としたリサイクル事業を立ち上げ、再資源化に取り組んでいるのです。
廃棄漁網はプラスチック漂着ごみの4割にも及ぶらしく、国際的な課題解決に向けて第一歩を踏み出しています。

もともとプラスチック資源のリサイクルについて強みを持つ会社ですが、その技術や知見を活かし、国際的な課題解決に向けた新規事業にも積極的に取り組んでおり、大変好感が持てる企業です。
こういった姿勢は、先に書いたESG投資判断としてもポジティブ・スクリーニングにかかるような企業ではないかと感じます。

直近の決算情報

2020年6月期は、前年度比で売上増、利益は赤字縮小となりました。
また、同じく発表した2021年度の予想では、更なる売上増、利益については黒字転換の見込みと予想しています。

資料の中にも、単語が出ているように、国際的なSDGsの取組みの拡大から徐々に追い風を受けるような形となっています。

2021年度の見通しとしては、廃プラ処理問題や海洋ゴミ問題への社会的な関心の高まりは追い風であり、国際的な環境問題の課題解決に取り組む本命企業と言えるでしょう。
いずれのセグメントにおいても、需要が伸びると思いますし、中でも、新規事業として取り組み始めた漁網リサイクル製品については引き合いが急増しているとのことなので期待できそうです。

第三者割当による新株式発行(増資)

さて、このように時流を追い風にする企業ですが、2020年8月20日に「第三者割当による新株式発行」(増資)を発表しました。

スキームによっては、株式の希薄化や引受先の売却による売り圧が続くことを嫌気されて、大きく株価を下げることにもなりかねない「増資」ですが、今回の増資発表を受けて大きく株価が上昇しました。
どういうことでしょうか。

これが大きく評価された理由として、割当先がプラスチック原料・製品の最大手メーカーである「三菱ケミカル」であるということが大きいかと思います。
リファインバースのこれまでの取組みや知見を高く評価しているとのことで、三菱ケミカルからプラ回収の担い、今回の増資で調達する約2億円で設備投資及び人材採用を行うようです。

時価総額1兆円に近い企業が、時価総額50億円程度の中小企業を評価し、割当先として名乗りを上げる事はリファインバースにとって大変インパクトのある事だと感じています。

需給面の変化と予測

増資後の発行株式は、305万株から330万株となります(+25万株)。
また、三菱ケミカルは長期的な保有の意向を示しています(内容からは当然ですが)。
増資後の大株主の状況は以下のとおりで、浮動株はこれまでとさほど変わらず120万株程度です。


今後も、この増資を好感した買いが入ることが予想されますから、今後の展開としては、この120万株を奪い合う形が続くのではと思います。

しかしながら、本増資を発表後に急激に株価を上げ、人気化したため、増し担保規制(信用売買の担保金について通常30%を維持すべきところを50%に変更)がかかりました。これにより、信用取引が規制されることで一時的に需給を引き締めたので発表直後からすると少し落ち着いた形となっています。

繰越利益剰余金(欠損)の補填

次に8月25日に開示があった「資本金及び資本準備金の額の減少ならびに剰余金の処分に関するお知らせ」について解説したいと思います。

リファインバースは前年度において、繰越利益剰余金の欠損を計上しています。
黒字であれば、会社の繰越利益剰余金という名の「貯金箱」に貯金(内部留保)がたまっていきますが、赤字だとここに欠損が積みあがっていきます。
繰越利益剰余金は配当金の原資となるものです。
この貯金箱にお金が溜まっていないどころか、欠損が積みあがっている状態では、今後の株主還元にはとても期待はできません。

そこで、ここに積みあがっている欠損を綺麗にしてしまおう!という趣旨の会計処理を行うものです。

どういうことでしょうか?

資本金+資本準備金⇒その他資本剰余金

会社を起業する際には、資本金が必要ですが、それは自己資本や株主資本から成ります。
会社は、資本金と別に(予備として)資本準備金を積んでおくことができますが、資本金及び資本準備金は言うなれば、会社が会社として存在しておくために必要なお金ですから、配当等の株主還元に回すことはできません。

しかし、資本金及び資本準備金を減少し、その他資本剰余金に振り替えたうえで、貯金箱の中の欠損を補填するという会計処理を行うというものなのです。

●資本金439,219,723円を50,000,000円に減少→①389,219,723円
●資本準備金439,219,722円を50,000,000円に減少→②389,219,722円
●その他資本剰余金のうち、③7,012,672円を活用
※資本剰余金=資本準備金+その他資本剰余金

①+②を振り替えて③に加算すると、785,452,117円となります。
これで、前年度までの繰越利益剰余金の欠損額 785,452,117円 を補填するということですね。

これにより、リファインバースの貯金箱は0スタートの状態となりました。
また、この会計処理を行った後も、その他資本剰余金は+なので、これを原資に配当等の株主還元を行うことが可能な状態となりました。

ただし、一般的に配当原資は利益剰余金から行われるもので、その他資本剰余金から行われることは稀なケースなので、あくまでも現状では、「財務を綺麗にした」ぐらいの感覚で良いかと思います。

余談ですが、機関投資家等のプロの投資家は、その企業の将来配当額を予想し、期待収益率(投資家が要求する利回り=株式は5~7%)で割り戻して理論株価を求める「配当割引モデル」という計算を用いているところもあります。詳細はもっと複雑ですので興味のある方は調べてみてください。
いずれにせよ、配当の可能性が全くゼロの状態から、今後の配当可能性に含みを持たせるだけでも印象がガラリと変わったのかなと感じます。

ストックオプションの発行

さて、最後にもう一つ、好印象の材料があります。
同8月25日に、募集新株予約権(ストック・オプション)の発行に関するお知らせを発表しています。

これは言うなれば、従業員向けのボーナスのようなものです。

従業員に対して、自社株(この場合、リファインバースの株式)を無償で配付します。
今では1単元14万円程度ですが、自分たちが頑張れば頑張るほど、企業が成長し、株価が上がれば上がるほど、今無償でもらえた報酬額が増えていきます。
これは従業員のモチベーションを上げますし、良い仕事に繋がりそうですね^^

また、これは今後の企業の成長について、経営陣の自信の表れとも取れそうです。なおさら楽しみですね。

私は従業員ではないですが、ストックオプションのつもりで数枚持ち続けたいと思います笑

まとめ

リファインバースについて、国際的な流れや国内企業との資本業務提携といった視点から考察してみましたが、いかがだったでしょうか。

9/24に信用取引規制が解除されたため、再度取引が活発化すると思いますが、この間にも新たな投資テーマや人気銘柄も出てきたので、その分、人気は分散しそうです。

また、IT系の企業とは違い、売上や利益の伸び率について一気に跳ね上がるような業種ではないため、思惑だけで先に成長を織り込みすぎると割高だと判断されかねません。

しかし、いずれにしても、SDGsやESGといった国際的な流れ、国内最大手メーカーとの資本業務提携、今期の黒字転換予想等、リファインバースにとって追い風が吹き荒れている状況は変わらないうえ、財務を綺麗にしたことやストックオプションにより、従業員の士気が高まっていることを踏まえ、中長期的な長い目で応援していきたいと考えています。

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