SWOT分析を活用しよう!【3993 PKSHA TECHNOLOGY】

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こんにちは!
個人投資家のsoiyaです!

早いもので2020年3月のコロナショックから一年が経ちました。
後に述べるマクロ環境のおかげで相場そのものは堅調ですが、調子はいかがでしょうか。

さて、今回は、主に企業分析等で使用される「SWOT分析」を用いて銘柄分析をしてみましょうという話です。

例として、IPO当初から人気があり、今もなお人気の衰えない【3993 PKSHA TECHNOLOGY(パークシャテクノロジー)】について書きましたので一読ください。

(免責事項)私は投資運用業及び投資助言代理業等の資格は有しておりません。本銘柄について、売買を推奨するものではありません。開示されている資料について、趣味程度でまとめている記事にすぎませんので、売買にあたっては自己判断・自己責任において行っていただきますようお願い致します。損失等に対する責任は負いかねます。

マクロ環境

2020年3月のコロナショックではほぼ全ての銘柄が急落しました。

この一年は、一時的に大きく下げる時期があったものの、各国の大規模な金融政策が下支えとなり概ね堅調な相場が続いています。

世界をけん引する米国株式市場において、2020年6月までは急落局面からほぼ全戻しした状態に。それから11月の米国大統領選挙付近まではほぼ横ばいが続いた後は、特に大きなリスク要因もなく、株価も上抜けて、毎月、最高値を追い続けるような展開が続いています。

コロナショック以降、右肩上がりのNYダウ

日本においてもおおよそ同じ展開ですが、9月以降は、新政権誕生とともに新たなテーマ株が見直されてきました。
デジタル庁の発足に向け、IT系の銘柄が盛り上がりを見せたのは記憶に新しいかと思います。

しかしながら、やはり夢物語だけの期待や憶測だけの相場は長続きしないもので、決算の数字が出ると同時に失望売りと併せて次のテーマへと主力が変わっていくものです。
(もちろん期待通りの数字を出すところはそのまま買われることになりますが。)

銘柄を選択・売買する時は、個別銘柄の分析はもちろんのこと、今がどのような環境で、今後どのような相場になるのかを気にしておくことも重要ですね。

SWOT分析とは

銘柄分析をするにも色々な視点から分析することが重要です。
企業の本質的価値を分析するファンダメンタル分析やチャートや指標等から分析するテクニカル分析は代表的なものです。

今回は、主にファンダメンタルの観点から、企業を内面的な強みと弱み・外面的なプラス要因とマイナス要因に分けて分析することで、総合的に判断することができる「SWOT分析」を紹介します。

SWOTとは、 Strength、Weakness、Opportunity 、Threat の頭文字をとったもので、それぞれ下記の意味を持ちます。

○Strength
その企業が持つ強みのことです。
ここには、その企業の内面的な部分から見たプラス要因を挙げます。
例えば、他にない技術力を持っている、先行者利益を持っている、ブランド力がある等です。

○Weakness
その企業の弱みのことです。
ここには、その企業の内面的な部分から見たマイナス要因を挙げます。
強みではない部分や同業他社に比べて優位性のない点や劣っている点を挙げます。

○Opportunity
その企業にとって機会となるものです。
企業がおかれる環境においてプラス要因となっている(なるであろう)点を挙げます。
例えば、政府の方針や法整備等によりその業種全体に追い風が吹く、といったようなことを挙げます。

○Threat
その企業にとって脅威となるものです。
外部環境におけるマイナス要因となっている(なるであろう)点を挙げます。
例えば、規制緩和等により参入障壁が下がった、薬価改定があり売上が下がるといったようなことを挙げます。

多くの時間を費やして深く調べたつもりになっていても、弱点への分析が不足していたり、思ってもいなかった要因が潜んでいたといったことは多々あります。

今一度、自身の保有銘柄や監視銘柄について、上記の観点から分析しなおしてみてはいかがでしょうか。

【3993 PKSHA TECHNOLOGY】

例として、IPO当初から人気があり、今もなお人気の衰えない【3993 PKSHA TECHNOLOGY(パークシャテクノロジー)】(以下、「PKSHA」)について分析してみようと思います。

基本的な企業情報としては、下記のとおりです。

事業内容

PKSHAの事業内容は、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて様々な社会課題を解決することによる、社会への付加価値の提供です。

具体的には、自然言語処理、音声解析、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しています。
これらは様々なソフトウェアやハードウェアに組み込むことで、半自動化/全自動化を通じた業務効率化やサービス等の付加価値向上やモデル革新の実現支援を行っています。

事業分野

PKSHAが手掛ける分野は主に下記2つの分野です。

①Mobility&MaaS事業
 スマートシティ化に向けたリアル空間のオペレーションを知能化させていくにあたり、画像/映像解析に関わるアルゴの販売を行っています。

②Cloud Intelligence事業
 デジタル空間上で行われる処理を知能化させていくにあたり、アルゴを活用した課題解決(ソリューション)の提供やアルゴソフトウェアの販売を行っています。

アルゴリズムモジュール

アルゴのモジュールには、社内文書からの特定文書の抽出、コールセンターログの分析や見える化、チャットやロボットとの自動対話、店頭カメラの自動認識機能、ECサイトやwebサイト上での商品・情報の推薦、ECサイトのユーザー購買予測、金融機関における与信スコアの構築、工場等における検品処理の自動化、顧客シナリオや行動選択の自動化があります。

非常に多岐にわたって活用できることがわかりますね。

アルゴリズムソフトウェア

以下の3種類のソフトウェアがあります。

①CELLOR(セラー)
機械学習技術を用いて、小売業やサービス業など、優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を目的としたソリューションを提供しています。
データ分析に多くの時間やコストをかけていたものを自動化または半自動化することで、データ分析の時間やコストが削減できます。
また、分析結果を基にユーザーに広告等を配信することで、優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を行っています。

②HRUS(ホルス)
業界や使途の特化型の深層学習技術を用いた画像・動画像の識別エンジンです。
今後、様々な業界・領域にカメラを中心としたイメージング機器が普及していくと想定されています。今後、イメージング機器と連携して動作し、物体検知や物体認識を実現することでイメージング機器のサービス品質を高め、サービスモデルの変革を支援します。
業界や使途を特化することにより、汎用型の画像・動画像の識別エンジンに比べて、高い画像・動画像の識別精度の実現を目指しています。

③BEDORE (ベドア)
チャット対応・FAQ対応の自動化ソリューションです。
入力されたテキストおよび音声を認識し、グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FA対応の自動化・半自動化を実現しています。

こちらも多岐にわたって利活用できるソフトウェアばかりで、自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を持っています。
各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しているとのことです。

SWOT分析で見るPKSHA

さて、これらの事業を展開しているPKSHAですが、上記だけを見ると多くの業種や事業において利活用できそうで、夢が膨らみます。
SWOTで見ればどのような分析結果となるのでしょうか。

Strength

PKSHAの強みは、なんといっても、その事業領域の守備範囲の広さと今後も多くの業界で展開していくことが可能だという将来性です。

これは先述のように、既に多岐にわたって展開しているという事はもちろんですが、何より、同業他社が取り組むより先に専門的に取り組んできたため、各業界のリーディングカンパニーと提携をしているのです。

・トヨタ自動車との資本業務提携(自動車業界)
・東京海上HDとの資本業務提携(損保業界)
・メドピアとの資本業務提携(製薬業界)
・ウイングアーク1stとの資本業務提携(情報通信業界(データ活用))
・静岡銀行との資本業務提携(金融業界)

また、アルゴリズム技術の活用においても、クレディセゾン(決済業界)、ベネッセ(教育業界)、アイテック(PKSHA子会社)における駐車場業界等といったところで利活用が進められています。

IPO当初から、トヨタ自動車との提携は既にありましたから、とても人気があり、公開価格2400円(その後2分割したため、今と比較するなら1200円)に対してもその需要拡大期待により強気で買われていたのを覚えています。
その後も衰えることなく、今でも3000円前後にいる状態です。

決算の数字も、それに追いつく形で2017→2018は約160%、2018→2019は約200%、2019→2020は約250%と堅調な右肩上がりでした。
2020→2021は30%程度の伸びが予測されているところです(いずれも売上ベース)。
2017年には9億円しかなかった売上が、わずか4年で10倍の売上90~100億円に到達しようというのはもの凄い成長スピードですね。

この成長が続くのなら、投資局面が過ぎ、損益分岐点を一気に超え始める事も期待できそうです。中期計画ではここ2〜3年の間に利益の刈り取り期に入るため、ある程度の高PERも許容できそうです。

Weakness

さて、個人投資家のなかで一般的に多く見られる分析では、上記のStrengthの部分だけを主張している印象を受けます。
たしかに、ここまで見ると買いの一択でしかないのですが、本当にそうでしょうか。

そこで、内面的な弱みであるWeaknessについてみていきましょう。

PKSHAの属する情報通信業界は、世界中で日々目まぐるしい進化をとげています。開発する側の技術革新だけでなく、それを求める顧客側のニーズも変化し続けています。
PKSHAの技術は上記のとおり、多くの業界リーディングカンパニーと提携していますが、いつそれに代わる技術やサービスが現れるかわかりません。

これは、SWOTのうち、脅威である「T」にも入る部分にもなりますが、Wで取り上げたのは、技術革新等により優位性がなくなることで、上記の「S」までも失いかねないからです。

現に、PKSHAが扱うのと同じようなアルゴを用いた製品やサービスは多く出てきていますし、それぞれの企業が多くの企業と提携しながらしのぎを削っています。

チャット対話や画像認識におけるAI活用、 商品・情報の推薦 、検品処理等にAIを取り入れて、自動化を図るようなサービスは増え続けているので、PKSHAが早くから取り組んできた優位性が崩れてしまうかもしれません。

同じAI業界にあるHEROZやヘッドウォータース、APPIER、ブレインパッド等、AIを活用したサービスを提供する企業を挙げだすとキリがありませんが、これらの企業と横並びで見てみることも重要です。

また、国内企業ではずば抜けていたり、太刀打ちできないとしても、例えば、世界中のデータを利活用しているGAFAのような超がつくほどの大企業がアルゴを無償で提供すると発表したらどうでしょうか。

おそらく沢山の顧客が離れていくことになるでしょう。

そうなるとこれまでのような高成長は期待しづらくなり、高PERも許容されないようになるため、注意が必要です。

以上は、ほんの一例に過ぎませんが、こういったリスクが常にあるということは売買する前から想定しておきたいものです。

【余談ですが…】

私見ですが、AIだけでなくあらゆる分野において技術力や展開のスピード感で、日本は海外からかなり遅れていると思います。しかし、日本では主要言語が「日本語」であることが良くも悪くもひとつの障壁になっているのかなとも思っています。

いくら自動翻訳が発達しようとも自然なのはやはり日本企業が手がけるソフトになるのかなと感じます。Google翻訳と言った大手の翻訳ソフトも精度は上がってきましたが、やはりまだまだ違和感があるので、自動対話やコールセンター等ではもうしばらくは優位性があるかと思っています。
(一方で画像認識等の言語が関係ない技術は世界で戦うには厳しいかもしれませんが。)

そういった事からも、やはり「国内で」優位性を持つのは先行者利益的にもPKSHAは優位性があるのかなとは思います。

しかしながら、国内においても、次々と有望な企業も現れてきているので、少なくとも国内同種企業にスピード感で負けないようにしてほしいものですね。(こういった観点から横並びの比較が大事との認識でいます。)

Opportunity

これまで、その企業が持つ強みと弱みについて述べましたが、それ以外にも外部要因による良い影響と悪い影響についても考えておく必要があります。

次に機会の「O」として、外部環境の変化により、それが追い風になる可能性があることを挙げてみましょう。

IT業界においては、昨年もDX(デジタルトランスフォーメーション)関連銘柄が話題となりましたが、これはコロナをキッカケにテレワークが推進されたりしたことが、同業界にとっての追い風となったことが人気化の始まりでした。

PKSHAの前期における決算説明資料にもあるとおり、コロナによる企業の効率化ニーズの高まりや移動・対面コミュニケーションの制限等は、DXニーズに伴うアルゴリズム導入の機会となるようです。

省人化を計ることができるソフトウェアの導入は、この先も必要とされる要素である事は間違いないので、この機会を確実に捉えて成長してほしいものです。
チャットやロボットの自動対話等のニーズ拡大にも繋がりますね。

また、IT業界に追い風が吹くことで、優秀な人材確保にも寄与するとのことです。
会社を作るのは人なので是非とも優秀な人材を集め、更なる成長を期待したいものです。

こういった社会環境変化が間違いなく追い風になりますが、他の競合他社にとっても同じことが言えることは忘れないようにしたいですね。

Threat

最後に脅威を表す「T」ですが、これは、外部環境の変化により、それがアゲインストになる可能性がある一例を挙げます。

ひとつは、先述のとおり、 PKSHAの属する情報通信業界が、世界中で日々目まぐるしい進化をとげている点です。
開発する側の技術革新だけでなく、それを求める顧客側のニーズも変化し続けていることは改めて頭の片隅に入れておき、ライバル企業の動向等を見ておく必要があります。

もう一点、例として挙げておきたいのは、新規事業についてです。
これまで挙げてきたように、良い点・期待できる点として、この企業のサービスについては非常に多岐にわたって応用が効きますので、どこまでも手を広げることができるといった点です。

手を伸ばせば伸ばすほど売上も利益も伸びるうちはいいのですが、どうしても新規事業として拡大・成長させるうちは、システム投資や人件費等において先行投資の面もあるため、その部分だけを見ると赤字になります。計画通りに進めば、会社計画の数字に落ち着くでしょうが、新規事業が貴台どおりに拡大・成長が見込めなくなることはザラにあることですので、こちらもリスクとして考えておいた方がよさそうです。
これは経営上での一般論としても共通の話ですので、他の新興企業にも言えることかと思います。
他社を分析する際にも参考にしていただければと思います。

上記以外にも、政府の方針等で例えばデータ利用について法規制が行われたりすれば、脅威となりえることも忘れてはいけません。

おまけ(テクニカル要因も含めて…)

以上は、ファンダメンタル分析の観点からSWOT分析における例を挙げていきましたが、もちろんテクニカル分析の面を加えて分析することも必要かと思います。

この記事を書いている2021年4月上旬の時点で、PKSHAは日々の出来高が20~30万株であるのに対し、信用買い残は120万株程度あります。この状況で急落があると逆回転が起こり、投げが加速する可能性もあります。

と言っている間に…

2021年4月12日には普段の3~4倍の出来高である89万株を作って6.7%の下げがありました(材料等なし)。
これにより、ポリンジャーは-2σに近づいてきたから買い要因であるとか、一目均衡では雲を下抜けたから売り要因だとか、といったことも含めたりして、総合判断することが重要なことだと思います。
(本来、SWOT分析ではファンダメンタル的な分析に適していますが、こういったテクニカル要因についても、別途、「SWOT」のそれぞれの要因として挙げていいのかもしれません。)
※ちなみに私はあまりテクニカル分析を使わないのでそれぞれの手法で試してみてくださいね。

まとめ

今回は、企業を様々な視点から分析する「SWOT分析」について紹介したうえで、PKSHAについて、例を挙げてみました。
もちろん、上記についてはほんの一例に過ぎず、有価証券報告書やホームページ、決算資料等を読み込むと、S,W,O,Tについて、いくつもの要因を挙げることができます。

大事なのは、良い一面や自分にとって都合の良い一面だけを深堀りして分析した気にならないようにすることだと思います。

良い面と悪い面の両方を見て、総合判断したうえで売買するクセを付けておきましょう。

普段から色々な視点から見ておくことで、急な下げが来ても想定内の下げだと心を落ち着かせたり、冷静に買い増すことができたりするものです。

ーおわりー

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