【市場規模と時価総額を意識しよう!】

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こんにちは!
個人投資家のsoiyaです!

株式投資においては、会社が取り組む事業とともにその会社がどのように成長していくのか、今は成長過程のどのステージにいるのか等を近いしておかなければ今後の投資戦略をたてることができません。

今回は、市場規模と時価総額の観点からお話ししたいと思います。

市場規模とは

「市場規模」とは、ある市場においての経済活動の規模を意味する経済用語です。
その業界において、どれだけの経済活動が行われるかの規模を表すもので、物品の販売金額や販売数量等から毎年計算されています。
例えば、自動車業界でどれぐらいの資金が回っているか、建設業界ではどれぐらいか、小売り業界ではどれぐらいかと業界ごとに算出される数値です。

なお、市場規模が示す市場については、その市場を広げたり狭めたりすることで活用することができます。
たとえば【自動車関連】というくくりで市場規模を計る時には、自動車そのものだけでなくエンジンやバッテリー、電装品、タイヤ、各自動車部品等に係る数値が使われます。

しかし【電気自動車】というくくりで見る場合には、エンジンや電気自動車では使用されない部品に係る経済活動は算入されず、電気自動車に関連する経済活動のみが反映されることとなります。

市場規模は、一般的には、企業が今後の事業戦略や経営計画等の策定、今後の見通しに関する資料作成等に用いることが多いので、普段の生活のなかで利活用することはめったにありませんが、投資家にとっては世界中でどの業界がどのような規模にあるのか、今後どのような成長曲線を描くのか等を把握し、自身の投資戦略に役立てることができますので、確認しておきたい数値でもあります。
また、投資家として確認しておかなければならない資料である「決算開示資料」や「有価証券報告書」、「中期経営計画」等の資料でも引用されるなどして多く用いられていますので理解を深めておくことが重要です。

市場規模とともに様々なデータや業界動向、ニュース等と組み合わることで、自分の投資したい会社がその市場のなかで描く成長曲線のどの地点に立っているのかという自分なりの仮説を立ててみることが投資戦略にも役立つのです。

業界地図で市場規模を確認しよう!

現在、世界中にはどのような業界があるのか、また、その業界の規模はどれぐらいかをまとめている書籍に「業界地図」があります(東洋経済新報社と日本経済新聞社が発行)。

2019年の各業界における世界市場規模は次のとおりです。

出典:会社四季報業界地図(東洋経済新報社)


●eコマース(Amazonや楽天等インターネットでのお買い物)➡313兆円
●防衛➡197兆円
●医薬品➡130兆円
●宇宙開発➡45兆円
●次世代自動車(2030年予測)は、1,088兆円!

日本の1年間の国家予算(およそ110兆円)の10倍もの規模です。
それぐらい、自動運転車や電気自動車がこれから生み出す経済的な規模が大きいということです。

↓↓↓業界地図はこちらでも紹介しています↓↓↓


「会社四季報」業界地図 2023年版

   

これから調べようとしている会社の市場規模や業界動向はチェックしておきましょう。

業界地図では、業界ごとにどんな会社があるか、どんな繋がり(競合や提携)があるかなどが図式化されていて非常に分かりやすいのでおすすめです。
業界内の様々な企業を横並びで比較することで、これからその業界がどのように成長(あるいは衰退)していくのかといったマクロ面での理解が深まるはずです。

時価総額とは

市場規模の確認によりマクロ面から業界そのものの成長や規模感をとらえるイメージがつかめたでしょうか。次に企業ごとに会社の大きさを確認したり、同業他社との比較等を行う時に気をつけたいことについてお話しします。

「会社の大きさ」といっても、年商、設立年数、店舗の数、従業員の多さなどなど、比較できそうな数値はいっぱいありますが、株式投資においては「時価総額」を意識しましょう。

時価総額とは現在の会社の価値であり、発行株式数×株価で決まります。

株価は、毎日毎時毎分毎秒、その数字が変わります。
株価が変われば、会社の価値が変わるのです。

時価総額を確認しよう!

時価総額は、証券会社のアプリから簡単に確認することができます。

SBI証券アプリで見る時価総額(トヨタ自動車)
楽天証券アプリで見る時価総額(トヨタ自動車)

この記事を書いている2019年10月18日時点でのトヨタ自動車の時価総額は24兆円であることがわかります。

トヨタ自動車は、33億株(端数省略)発行しているので、33億株×7368円でおよそ24兆円となります。
(証券会社ごとに多少誤差がありますが、これはリアルタイムの株価で計算しているところもあれば、終値ベースで計算しているところもあったりとバラバラだからです。常に変動するものなので概算程度で誤差まで気にしなくていいかと思います。)

ちなみに、トヨタ自動車は国内上場企業のなかで日本一の時価総額です。
つまり日本で一番大きな会社はトヨタ自動車ということですね。

国内の自動車メーカーだと、ホンダ5.26兆円、日産2.91兆円、スズキ2.41兆円、SUBARU2.34兆円、いすゞ自動車1.05兆円、三菱自動車7300億円、マツダ6260億円、日野5400億円です(いずれも2019年10月18日時点)。

各社の時価総額を把握することで企業間を横並びで比較することができます。
もし、今後、ホンダがトヨタ並の売上や利益をあげるようになると仮説を立てれば、ホンダの株価は今の4倍になりますし、SUBARUが今のホンダ並に世界でもシェアを取るようになると仮説を立てたのならば今の株価の2倍を見込むことができ、それをもとに投資戦略を立てることができるでしょう。

株価で比較しないこと!

株式投資を始めたばかりだと、株価だけをみて「高い」「安い」というように勘違いをされることがあります。
しかし、株価そのもので高い低いという議論をするのは全く意味がありません。
なぜなら、発行している株式数で1株あたりの値段が変わるからです。

たとえばジグソーパズルの完成形をひとつの会社とし、
 ●ジグソーパズルの完成形の大きさ=会社の大きさ
 ●何ピースのパズルなのか=発行株式数(1ピース=1株)
 ●1ピースあたりの価値=株価
とイメージするとわかりやすいかと思います。

数を少なく大きなピースに分けると1ピースあたりの価値は高くなり、細かく分けて小さなピースをたくさん作れば1ピースあたりの価値は当然小さくなります。

また、株主になるということは、このパズルのうちいくつかのピースを保有しているということも忘れないようにしたいです。株主になるということは、その株式会社の一部を保有しているオーナーになるということなのですから。

3年後の時価総額

本記事を書いたのは2019年10月ですが、2023年1月に追記修正を行っています。
せっかくですので、およそ3年後に各社の時価総額がどのようになったかを確認してみました。
企業名  2019.10.18 → 2022.12.30
トヨタ   24兆円  →   29兆円
ホンダ   5.26兆円 →  5.49兆円
日産    2.91兆円 →  1.76兆円
SUZUKI   2.41兆円 →  2.09兆円
SUBARU  2.34兆円 →  1.56兆円
いすゞ   1.05兆円 →  1.20兆円
三菱自   7300億円 →  7600億円
マツダ   6260億円 →  6350億円
日野自   5400億円 →  2890億円

こうして確認すると、2019年10月から2022年末までで時価総額が増大したのは、トヨタぐらいで、他社は微増又は減少していることがわかります。
2020年の新型コロナウイルスによる株価の下落もひとつの要因と考えられますが、この期間において環境問題への取組みとしての脱炭素が世界各国で注目され、その手段として電気自動車をはじめとする次世代自動車がシェアを大きく伸ばしてきたことも要因のひとつとして考慮しなければなりません。

トヨタをはじめとする日本企業は、これまでシェアを獲得してきたガソリン車やハイブリッド車に力を入れてきた結果、電気自動車へのシフトが遅れてしまい、欧米や中国のEVメーカーに顧客を奪われ始めています。
この期間において、電気自動車EVの世界最大手となった米国のテスラ社は、2019.10末からピーク時の2021年11月にはおよそ20倍、現在でもおよそ6倍の時価総額にまで成長したのです。

自動車業界では、ながらくガソリン車やハイブリッド車が市場をけん引してきましたが、このように新規参入者が新技術を持って入ることで業界そのものの規模や順位が大きく変化することがあるということも頭にいれておきたいですね。
(そういった企業に投資することができれば、あなたの資産も大きく増えるはずです)

市場規模と時価総額から比較してみよう!

市場規模や時価総額を使って、会社を比較してみましょう。
トヨタ自動車の24兆円という時価総額は市場規模1,088兆円となにか関係があるのでしょうか。

トヨタ自動車とフォルクスワーゲン

トヨタ自動車は、2019年現在で30兆円の売上があります。これは世界2位の売上です。
売上1位はフォルクスワーゲン。非常に僅差でこちらも売上は30兆円のようです。
また、2018年の世界の自動車販売台数を見ると、トヨタもフォルクスワーゲンも世界の自動車売上の10%程度を占めていることがわかります。

これだけみると両社は同じぐらいの時価総額になりそうですが、トヨタの24兆円に対して、フォルクスワーゲンは10兆円ぐらいとなっていますがなぜでしょうか。少なくとも市場規模1088兆円に対して、売上30兆円という数字だけでは会社の時価総額に与える影響はないように思えます。

これは、単純に売上だけでその企業が評価されているのではなく、利益率(売上に対してどれだけ儲けがあるか)や、企業のもつ特許や技術力、財務状況等、多くの項目が総合的に評価された結果と言えます。こうして市場から評価された結果が株価となり表れます。その株価に発行株式をかけたものが時価総額となるので、たとえ売上が同じぐらいでも、時価総額は単純に一緒にはならないのです。

また、一般的に株価は将来の業績を織り込みにいきますので、前述の2019年→2022年の比較にもあるように、今後の市場でどのようなことが起こるか(脱炭素の議論が進むことでエンジン車はなくなり、EVだけが生き残るといったような業界動向)、その企業が業界動向に対応していけるか、対応できた場合シェアとどれだけ取れるか…といったことも含めて評価されます。
今後は、これまでの技術力や知見を活かして、EVへのシフトチェンジとその販売戦略をはじめ、業界動向に合わせた戦略にいかに取り組んでいくかといったことが重要視されそうです。

先述のテスラのように、株式市場では将来の価値を織り込みにいきますので、将来の成長に期待を込めての価値として反映される数字でもあることも忘れてはなりません。

市場規模と時価総額との間には因果関係があるわけではありませんが、少なくとも今後市場規模が拡大していく業界においては「その業界の伸び率と同等程度は企業も伸びるであろう」との予測は立ちますし、これには一定の相関関係はありそうですので、型にはめ過ぎずぼんやりと業界動向を確認する程度に活用してみてはどうでしょうか。

まとめ

今回は市場規模と時価総額についてお話ししました。
市場規模について確認することは業界動向を確認することでもあり、企業が属する業界の今後について大まかに方向性を示してくれるものです。
この前提条件を把握しておかなければ、日本の自動車企業が世界でのEV化の流れに乗り遅れたように、せっかく調べた企業の成長性を見失ってしまうことになりかねません。

また、こうした流れは、自動車産業に限らず、小売業におけるEC参入(Amazonや楽天など)、携帯電話におけるスマートフォンへの置き換えなど、多くの業界で変化が起きています。
その企業が属する業界だけでなく、新規参入となりえそうな業界などもあわせて確認しておくことで、ミクロな視点だけでなく、マクロな視点を身につけて、広くぼんやりとみてみましょう。

ーおわりー

 


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コメント

  1. […] 【銘柄の選び方#2】市場規模と時価総額 […]

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