【IPO銘柄分析】7351 グッドパッチ

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こんにちは!
個人投資家のsoiyaです!

2020秋も引き続き、IPO(新規上場)銘柄が多数ありますが、公開価格の数倍となる銘柄や初値から大きく上昇する銘柄もあり、IPO人気は健在です。
今回は、新規上場からしばらくしてからの需給要因も踏まえてお話しできればと思います。

直近IPO銘柄は独特の需給要因があり、値動きも大きいため、相対的にリスクは高いと言えます。調べるのと実際に売買するのとは別の話ですのでその辺は理解しておきましょう。

IPOについては、↓の記事も参考にしてみてください。

(免責事項)私は投資運用業及び投資助言代理業等の資格は有しておりませんし、本銘柄について、売買を推奨するものではありません。開示されている資料について、趣味程度でまとめている記事にすぎませんので、売買にあたっては自己判断・自己責任において行っていただきますようお願い致します。損失等に対する責任は負いかねます。
(こんな当たり前の事を書かないといけない世の中です笑)

マクロ環境

2020年3月のコロナショックではほぼ全ての銘柄が急落しました。

世界中の超異次元の金融緩和のおかげで、日本では6月までほぼ一直線の立ち上がりを見せました。
米国株については、200兆円規模の緩和(日本のおよそ倍)もあって、9月まで一直線です。

さて、日本株においては、6月以降、ほぼ横ばいの状況が続いています。
下げすぎた分は既に戻しましたし、実体経済は現状で、落ち込んだままなので、これ以上上値を追うのも難しく、ヨコヨコしながら何か市場への好材料を待っている状況でしょうか。

このような状況だったから、この夏は、いつも以上にIPOが盛り上がったという事は忘れずにしておきたいです。

そして、9月に入った頃から、相場環境が変わり、IPOから少しずつ資金が抜け始め他の新興銘柄や菅政権誕生とともに新たなテーマ株が見直されるようになりました。
急激に盛り上がりを見せたIPO銘柄達は静かにあるべき場所(株価)に収束していくことが予想されます。

もちろんどうなるかは分かりませんが、売買する時は、今がどんな相場なのかを気にしておくことが重要ですね。

【7351】グッドパッチ

そんなIPO銘柄群の中から、今回は、上場から3か月を迎える【7351 グッドパッチ】について書きたいと思います。
ここを取り上げた理由は、初のデザイン企業の上場ということもあり事業内容が特徴的でおもしろい(比較対象がない)のと、上場から3か月を経過するタイミングというところからです。

事業内容

事業内容は、デザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業です。

企業のアプリやwebサービス等について、デザイン面で支援する会社です。ドイツのミュンヘンにも子会社があり、ヨーロッパにも展開しています。

他にない事業のため、少しイメージしづらいかもしれません。
(だからこそ誰よりも早く深く調べることができれば差がつきます。私はこういう会社が好きです。)

わかりやすく一言で言えば、アプリやwebにおいて、画像やボタン等をどこに配置するか、どのようなデザインならユーザーが使いやすいかをデザインするサービスを提供する会社です。

YouTube、Twitter、instagram…
今日、私たちが毎日のように利用しているコンピューターやアプリ、webページ等は、単に優れた機能があったからというだけではありません。
いちいち説明書を読まずとも、感覚的に利用できる「わかりやすいデザイン」があるからとも言えるのではないでしょうか。

今日、私たちが実際に利用しているこれらのサービスについて、「デザイン」という視点で、改めて、利用してみるとイメージしやすいかもしれませんね^^

グッドパッチではこれまで、ラクスル、リンク&モチベーション、出前館、SPEEDA、IG証券、東急ハンズ、秋川牧園などなど様々な業種において、デザイン面の支援をしてきました。

詳細については、グッドパッチのホームページも確認しましょう!

Goodpatch グッドパッチ|デザインの力を証明する
新規事業立ち上げやプロダクトのUI/UX改善など、戦略策定〜グロースフェーズまで一気通貫でパートナーとして並走します。さらに、ブランド・エクスペリエンスの構築、デザイン文化の浸透を支援。本質課題にコミットし、ビジネスに貢献するデザインを提案します。

余談ですが、9月1日に開示のあった「Strap」というクラウドワークスペースに注目しています。
クラウド上でホワイトボードのような感覚で打ち合わせができるようなアプリで、既に多くの企業が注目しているようです。
よかったらこちらも調べてみてくださいね。

Strap(ストラップ) | 日本製オンラインホワイトボード
Strap(ストラップ)は、デザイン会社であるグッドパッチが開発した、日本製のオンラインホワイトボードです。チーム作業やコミュニケーションを効率化し、リモート環境・オンライン会議におけるコラボレーションの可能性を広げるアプリケーションです。

【UI/UX】設計としてのデザイン

わたしたちは「デザイン」といえば、見た目の良さや機能とは別の装飾等、表面的なことを思い浮かべます。

しかし、上述のとおり、デザインとは「計画」や「設計」も含まれるのです。

最近では、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が一般的になってきていますが、その裏側では、必要な技術をユーザー視点でデザインすることが必要となってきます。
「機能としてはすごいはずなのに、ものすごく使いにくい!」といった経験はないでしょうか。

ユーザー側の視点(UX(ユーザーエクスペリエンス))を設計することが求められているわけですね。

また、そのUXを達成するには、どのようなUI(ユーザーインターフェイス(インターフェース))がいいのかもあわせてデザインします。
UIとは、わたしたちがコンピューターに情報を入力する時にどういった手段を取るかといったことです。
例えば、キーボードで入力するのか、タッチパネルで入力するのか、音声を検知するのか…etc

これらを、合わせて、UI/UXといいます。
これらをデザインすることで、使いやすいwebやアプリ等を企業と作り上げていくんですね。

世界では、この部分に重きが置かれていきつつありますが、国内においては、まだまだその認識が広まっていません。
今後、大きく成長できる余地がある分野であると感じます。

これまでも、UI/UXデザインのリーディングカンパニーとして高い売上成長を実現してきています。

実際に、この新規上場を経て、社の知名度や信頼度も上がり、6月以降の引き合いは活発なようで、8月は受注ラッシュになったとのことで今後が楽しみです(四季報より)。

ロックアップについて

事業内容としては、伸びしろのあるおもしろい会社ですが、需給面ではどうでしょうか。

グッドパッチは、上場前から多くのベンチャーキャピタル(VC)が支援をしてきており、保有状況についても発行株式の4割近くをVCが占めています。

直近IPO銘柄については、こういった情報を知っておくことは必須なので上場時の目論見書等でしっかり確認しておきましょう!

さて、上場時には、既存の大株主が市場内で一気に売ってしまうことで需給が崩れることを防ぐため、「ロックアップ」という制度で売買が制限されています。
こちらの記事も参考に調べてみてください↓↓↓

グッドパッチの場合では、VCは上場から90日以上が経過していること又は発行価格(690円)の1.5倍以上であること、VC以外は上場から180日以上が経過していることを満たしていなければ、市場内で売却することができません。
(正確には、主幹事会社の事前の同意のある場合等もありますがここでは置いときます。)

上記において、VC以外の大株主は社長や役員等であり、通常売却することのない安定株主であることが多いので、ここでは、VCの売りについて確認しておきたいと思います。

ロックアップ解除日経過に伴うVC売り

VCは、上場前のリスクの高い時期に企業を財政面から支援しています。
支援してきた企業が上場すれば、支援していた時の何倍もの価値で市場で売却することができるので、上場後に売りたいのは当然のことです。
しかし、前述のとおり、その売りが市場の需給を歪ませることになりかねないため、ロックアップによる売買制限がかけられているのです。

では、グッドパッチにおいてはいつなのか?というと…

上場から90日経過する日は、2020年9月27日となります。
翌9月28日の市場内から自由に売却することができるというわけです。

もちろん(もし売られるなら)、発行株式の数%という大量の売り圧力となるので、注意が必要です。
上場から90日・180日という条件は特に多いので、半年以内に新規上場した銘柄については、ロックアップ解除日を常に頭に入れておきましょう!

しかし、グッドパッチについては、9月28日から売り圧力になるかというとそうでもなさそうです。

どういうことでしょうか?

トレーダーズ・プレミアム

発行価格の1.5倍以上での売却

もうひとつの条件として、発行価格の1.5倍以上という条件があります。
グッドパッチの発行価格は690円だったので、1035円以上であれば、VCは売り捌くことができるのです。

肝心の株価の推移はというと、グッドパッチは上場時から人気があったことで、一時期を除いて2000円以上で推移しています。

つまり、VCは上場から今日までの間、いつでも売却することができたわけです。

EDINETで報告書を確認!

では、実際に売っていたのかどうかはどう確認するのでしょうか?

発行株式の5%以上を保有する者であれば、保有数が1%以上減少した場合に大量保有報告書の変更届を提出する義務がありますので、EDINETで確認することができます。

これによると、DG Daiwa、DGベンチャーズ、SBIインベストメントはとっくに売り捌いており、保有比率5%未満と既に報告義務がなくなっています。
また、発行価格を大きく上回る株価で推移しているため、他のVCについても同じように市場内で処分しているのではないかと推測することができます。
(あくまでも私見です。)

VCが4割程度を占める銘柄において、VCが売り捌いてきた下方向への圧力があったにもかかわらず、2000~2500円程度を安定して保ってきたということは、需要側(つまり、拾う人)がそれなりにいたと見る事もできますね。

まとめ

初のデザイン企業の上場ということで、注目を集め、初値は公募価格比4倍の2,757円となったグッドパッチ。
デザイン事業ということでわかりづらいところもありますが、UI/UXの伸びしろは大きいと思います。
IT投資が活発な今、上場とともに知名度や信頼度もあがったことで受注も好調なようで、うまく追い風を受けることができそうです。

上場から90日後のロックアップ解除の動きを確認しながら、うまく需給を読んでいきたいところです。
もちろん上記の確認では、保有が5%未満となったことを確認しただけですから、実はまだ4.9%~は保有していてこれから売り圧が増えるのかもしれないので注意しましょう。

「上がるか・下がるか」はもちろん予言することも的中させることもできませんが、上記のように不確実だと思う事をひとつひとつ潰していって、ギャンブル的要素を取り除きながら、確率的に高いと思える取引をひたすら続けていきたいものですね。

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