グロースとバリューはどちらがよいか論争

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こんにちは!
個人投資家のsoiyaです!

2020年は3月のコロナショックで全体的に大きく下げる時期があったものの、これを機に世界の主要な中央銀行において大規模な金融緩和が実施され、株式市場には良い環境となっています。

今年は、グロース株(成長株)や指数をけん引する大型株がマーケットをけん引してきましたが、一方で低成長企業やディフェンシブと言われる業種に多いバリュー株(割安株)はマーケットの平均未満の値動きとなっています。
今回はここに焦点をあてつつ、グロースとバリューの違いについて少しお話ししましょう。

(免責事項)私は投資運用業及び投資助言代理業等の資格は有しておりません。記載する銘柄について、売買を推奨するものではありません。開示されている資料について、趣味程度でまとめている記事にすぎませんので、売買にあたっては自己判断・自己責任において行っていただきますようお願い致します。損失等に対する責任は負いかねます。

グロース株とバリュー株

私たちが売買することができる銘柄については、大きく分けて「グロース株」と「バリュー株」に分けられています。
明確に、こうだからグロース、こうだからバリューという線引きはありませんが、おおまかな雰囲気を掴んでおくことができれば、「今はグロースに資金が集まっているんだな。」「今のうちにバリューを仕込んでおこうかな。」「PF(ポートフォリオ)の比率を変えようかな。」といったことを考えながら日々の売買に取り組むことができます。
今回はこういったところに焦点をあててみましょう。

グロース株(高成長株)とは

グロース株のグロースとは、英語で「Growth=成長、増大、伸び」のことです。
つまり、現時点から更なる成長が見込める銘柄のことをいいます。
前述のとおり、2020年は、グロース株(成長株)がマーケットをけん引してきました。
グロース株が指標面を無視して買われ続ける展開については、下記の通り、過去の記事でも触れさせていただきましたが、PERやPBRといった指標面が一般的に割高といわれるような水準でも、今後の高成長を見越して現状では割高な水準であることを何かと正当化されながら買われるといった展開となります。

値動きは比較的激しく、一日に5~10%動くようなこともざらにあり、 売買が活況になることが多い(出来高が多くなる)ため、デイトレや短期的な取引にも向いているとも言えます。

PERが100倍や200倍となっても買われるという考え方については、こちらの記事も参考にしてみてください。

上記の記事は、4441トビラシステムズを例に書いていますが、2020年はグロース株がけん引してきたとはいえ、2020年12月現在で年初来高値を更新するような動きとはなりませんでした。 相変わらず順調な決算を出していますが、予想されていた成長曲線には届かず、グロース株の中でも今年は奮わなかった方かと思います。しかしながら、今後の成長が楽しみな銘柄の一つには変わりないかと思ってみています。

グロース株は高成長を見込まれるとどこまでも買われる反面、予想されたような成長曲線を描けない場合、当然、本来あるべき水準に戻る(ファンダメンタルズに収束する)ことになります。

グロース株については、事業の独自性や参入障壁の高さ(競争力)を見抜くことが大事ですので、しっかりと分析しましょう!

バリュー株(割安株)とは

一方でバリュー株のバリューとは、英語で「Value=(本質的又は価値相対的な価値)」のことを指します。
バリュー株投資とは、現在の価値を算出し、割安と判断した銘柄を保有するスタイルです。
PERやPBRといった代表的な指標をはじめとしたさまざまな指標から割安に放置されている銘柄を探すには、 財務分析はもちろん適正株価の算出等といった地味な作業が必要ですが、宝探しのような楽しみがあります。
値動きについても、比較的穏やかな値動きのものが多く、デイトレ等の短期的な取引よりは、長期投資でどっしりと構えるスタイルに向きます。
こういった銘柄は、業種的にも一気に成長するというよりは、毎年安定的な売上や利益を出すような業種に多く、配当も出す企業も多い印象があります。
(グロースに属する企業は、利益剰余金を配当に回すより、自身の事業に投資しながら成長を続けることが求められます。)

指数でみるグロースとバリュー

さて、派閥としても大きく2つに分かれるグロース派とバリュー派ですが、どちらがよいのでしょうか。

結論から言うと、どちらがいいということはないかと思います。
実際に過去のデータから見ても、リターンがグロース>バリューとなる時期もありますし、グロース<バリューとなる時期もあります。
これはつまり、上がり続ける銘柄はなく、下がり続ける銘柄もないということでしょう。

TOPIXスタイルインデックスとは

さて、これまでグロースとバリューは、それぞれどのような動きをしてきたのでしょうか。
東京証券取引所では、東証一部上場の全銘柄について、各銘柄の浮動株式数に基づく時価総額を合計し計算した指数であるTOPIXという代表的な株価指数を公表しています。
これは全銘柄を対象としているため、日経225採用銘柄からなる日経平均よりも市場全体の動きを反映しているとされています。

なかでも、PBR等の指標を用いて相対的にバリュー又はグロースに区分したTOPIXスタイルインデックスというものがあります。
TOPIXバリュー、TOPIXグロース、TOPIX500バリュー、TOPIX500グロース、TOPIX smallバリュー、TOPIX smallグロースの6つの指数があります。

東京証券取引所HPより

同じ東証一部銘柄の中での比較となるため、大きくは違いませんが、例えば、高成長が求められるマザーズ指数との比較をすることでも違いが分かりそうです。

2000年以降のグロースとバリュー

ここではTOPIXグロースとTOPIXバリューの2つのチャートを掲載しておきます。

TOPIXグロースの月足チャート
TOPIXバリューの月足チャート

こうしてみると、2000年のITバブル崩壊後に急落したグロースに対して、バリューは緩やかな動きでその後の回復はバリュー株優位となっていました。その後もそれぞれ優位だった時期も異なり、この特徴を活用することはできそうです。

参考にマザーズ指数の月足についても掲載しておきます。

新興銘柄は特に高成長が求められる点で、ほぼグロース株が占めているといっていいでしょう。しかし、マザーズ指数は(特に最近では)、時価総額の大きい銘柄の寄与度が高すぎて、算出方法や指数としての在り方についても様々な意見があります。ここでの比較についてはあくまでも参考程度にしてください。

グロースとバリューの乖離について

なぜ、このように乖離(差)が大きくなったり小さくなったりするのでしょうか。個人的な見解ですが、こういった乖離が起こる時には、技術の進歩や社会の流れ等により、大きな変化がある時に起こります。

例えば、今年はコロナウイルスにより、テレワークを始めとするリモートへの動きが急激に広がりました。そうするとこのピンチを新たなビジネスチャンスと捉え、一気に加速させるのです。逆にこの波に乗る事ができなかった企業は買われずに放置されてしまいます。

これもまた私見ですが、地球温暖化等の環境問題が深刻化するなか、今後、色々な産業において、「電化」という動きが進むと考えています。

化石燃料を使用して動力を得ていたものは、電動化していき、その電力は新エネルギーで供給することで温暖化ガスの排出を低減しようという動きです。これは現在でも自動車業界で特に活発な動きで、電気自動車の開発・普及はもはや止めることのできない流れかと考えます。

こうなると、新しい流れに乗ることができる企業は今後の市場規模拡大を見越して買われ続けることになり、ガソリン車の部品しか作れないような企業は淘汰されていくのです。

しかしながらいきなり0→100に置き換わる事はできない為、長い時間をかけて置き換わっていきます。この間も規模は縮小しつつ、利益を出しながら高配当を続けるような企業や既存技術を活かして転換するような底力のある企業は売られすぎると株価は戻ってきますし、安いうちに仕込めば配当率も高いところを狙えますのでそのような視点を持つ事も大事かと思います。

まとめ

2020年はグロース優位な市場でしたが、2021年もこの流れが続くとは限りません。もちろん予想されていた成長曲線どおりに高成長を続ける企業については下げても拾われるでしょうが、予想どおりに高成長とならなかった銘柄はあるべき位置に戻ることは必至です。

グロースがどこまで上がり続けるのか、どこで反転するのかといったところは常に意識することが必要です。

一方で、放置されてきたバリュー銘柄も多数あります。
グロース優位で十分に値上がりした銘柄を利確して、超割安となったバリュー銘柄に資金が移動してくることも予想されます。

個人的には、グロース又はバリューのどちらかに大きく傾けるのではなく、例えば50:50とするなど、バランスよく振り分けておくことも今後の市場動向に対する有効な手法となるかと考えています。

今回はグロースかバリューかといった大きく2つにしか分けていませんが、東証一部・東証二部・JASDAQ・マザーズといった市場ごとの特性、業種ごとの特性、時価総額ごとの特性…などなど自分なりにすみわけをして仮説を立て検証を繰り返しながら自分なりのデータを積み上げていきましょう。

今はどのような銘柄が買われているのか。
これから先はどのような銘柄が買われそうか。

グロースやバリューといった分け方だけでなく、常にマーケットの流れを意識しながら、バランスよくPFを構築しつつ自分のスタイルを築いていただければと思います。

今後はバリュー株についても紹介していきます。

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