【コラム】投資と投機の違い論争に思うこと

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こんにちは!
個人投資家のsoiyaです!

世界的かつ歴史的な暴落だったコロナショックからもうすぐ1年になります。
その後の各国での金融政策が奏功し、株式市場は一時的な下落こそあるもののこの1年間は右肩上がりです。

この1年間で大きく資産を伸ばした方も多いのではないでしょうか。
あの頃に投資目線で買えた人・投機目線で買った人、いずれも買った理由はどうあれ資産は増えていることでしょう。

今回は、投資と投機の違いについて考えてみましょうというお話しです。

↓↓コロナショックの最中に書いた記事は下記からどうぞ↓↓

投資と投機の違い

みなさんは普段から投資と投機の違いについて、意識することはあるでしょうか。
→自分なりの言葉で説明することができるでしょうか。

投資とは「__________」
投機とは「__________」

ちなみに私はこの問いに対して正解はないと思っていますし、人それぞれだと思っています。
(だからこそ【投資哲学】を謳っているのですが)

ネットで検索してみると(一般的には?)、投資は長期的な視野・投機は短期的な視野ということを前提に書かれているものが多い印象です。

インカムゲインとキャピタルゲイン

投資か投機という議論がある時に、必ずついてくるのが、インカムゲインとキャピタルゲインの話です。

インカムゲインは株式では配当収入にあたる部分です。
一方で、キャピタルゲインは値上がり益にあたります。

農林中金バリューインベストメンツCIOの奥野さんは「教養としての投資」の中で【農地を購入する際の判断】に例えています。

これからある農地を購入するとして、そこから「どのように収益を得ようと考えるか?」というお話です。

投資の考え方では、その土地を耕し、農作物を育て、獲れたモノを売って収益を得ていくことに重きを置いており、株式に置き換えると、その企業が行っている事業からどれだけの利益が出るか(ひいては今後どれだけその利益の還元を受けることができるか=インカムゲイン)を判断材料とすることに重きを置いています。

一方で、投機の考え方では、この農地は今のところ安い値段で買えるから、後々値段が上がった時に売ることで収益を得ようということに重きを置いていることになります。
株式に置き換えると、どれだけの値上がり益(キャピタルゲイン)を狙えるかに重きを置きながら、それを判断材料としていることになります。

楽天証券トウシルより

ビットコインは投資か投機か

最近、何かと話題のビットコインをはじめとした仮想通貨(正しくは暗号資産ですが、社会的な認知度からここでは「仮想通貨」とします。)ですが、これについても投資か・投機かといった議論を耳にすることが多くなりました。

ビットコインは当初、各国の中央銀行がコントロールするような中央集権型の金融の仕組みとは別モノで、非中央集権型の金融の仕組みを作り出すことで様々なメリットを享受することができるものとして開発・普及されたものです。

これまで多額の手数料や時間が必要であった国際送金が簡単に行われるようになったり、その仕組み上、発行上限が決められているといった希少性の確保もされていることもあり、インターネット上の「金」と言われたりもしています。

はじめは世間から(私も含め)、胡散臭いなぁと思われていたのかもしれません。

しかし、段々とその技術性や世間の認知度が上がるに連れて、利用できる店舗等も増えてきたりと実用性も上がってきました。

【ブロックチェーンについて】
仮想通貨はそもそもブロックチェーンという技術の副産物です。(ブロックチェーンについては、今では多くの記事がありますので説明は割愛します)。ちなみに私は当時、仮想通貨を触る事はなかったのですがブロックチェーンという技術そのものはすごいと感じていたたため、この技術を応用したサービスを開発、展開する企業を調べていました。

なお、仮想通貨についてはビットコインやイーサリアム、リップルといった有名なものから、知る人ぞ知るような草コインと言われるものまで多くの種類があるようですが、私もそれほど詳しくないので興味があれば色々調べてみてください。

世界的な規制から米大手企業の参入まで

2017年に一度、高騰した仮想通貨でしたが、その後のハッキング被害やマネーロンダリングとしての悪用等が問題となり、世界中で規制されるようになりました。
しかしながら、実際に保有者や利用者は増えたため、ただ規制し、抑え込むだけではありませんでした。
どうすれば安全に利用することができるか、どうすれば利用者保護が進むかといった観点からも世界中の関係機関や団体等がこれまで前進しながら動いてきたと言えます。

最近では、paypalやテスラといった世界的な超大企業でも支払い手段として使われるようになったり、企業の投資先として見直されたり、BNYメロンが保管機能を追加したりといった動きが出てきました。

このように、より実用的になったことから、より一層の盛り上がりを見せています。

特にテスラは太陽光発電による電力事業も展開しているため、余剰電力でビットコインを掘削する事と併せて展開する事ができるので事業としての相性も良いのではないかと言われています。

もっとも、この事に関しては、市場の反応は未だ探り探りの感じですが…

テスラ社の週足チャート

少し気になるのは、NASDAQのけん引役であるテスラがビットコインを保有しつつ、事業展開もしていくという動きにより、株式投資と仮想通貨が切っても切れない縁になったことです。
仮に仮想通貨が暴落でもすれば、テスラは大きな損失を被ることになり、それをもとに世界的にも大事な指標であるNASDAQ指数に影響が出ると、他の株式や世界中の株式市場にも影響がないとは言い切れません。たとえテスラ株を保有していなくともビットコインの動向については、少し気にしておくべきかなと思います。

なんにせよ、仮想通貨については、一度ブームが去り、世界的な規制が行われて以降、今のこういった流れになることを「根拠を持って」信じ続けて取引を続けてきた人は、立派な投資家精神を持っているのではないかなぁと感じざるを得ない動きをしていますね。

ビットコインのチャート
(みんなの仮想通貨HPより)

白熱する投資・投機論争

さて、盛り上がるのは仮想通貨の価値だけではありません。

○仮想通貨は投機では?
○自分は投機はしない
○仮想通貨はリスクが高い
○投資こそ王道だ

といった議論もところどころで見かけるようになり、時には白熱した議論を見かけることもあります。

株式を売買している人は、株式には会社という形があり、その事業内容や経営理念、財務分析、技術力や市場規模等、多くのことを調べてその将来性に「投資」をするのだと言います。

一方で、仮想通貨を売買している人は、仮想通貨の特色や世界的な規制の流れや市場規模等、こちらも多くのことを調べて、その将来性に「投資」をしているのだと言います。

○仮想通貨は投機だ、ギャンブル性が高い、リスクが高い
○株式は投資だ、ギャンブル性はない、リスクは少ない

と言う人は改めて、自身の取引やスタイルについても考えてみるキッカケとしてみてください。

あなたがやっている「株式投資」は本当にリスクは少ないのでしょうか?ギャンブル性はないのでしょうか?
「仮想通貨」をトコトン調べて根拠を持って取引している「投機家」のみなさんより、リスクが低い取引をしていると言えるのでしょうか?

上がる株を買い、下がる株を売る

○株式投資では、会社の事業内容や財務分析、技術力や市場規模等、多くのことを調べたうえで、その企業の将来性に「投資」をしている
○自分のスタイルには投機性はなく、ギャンブル性も少ない
○株式投資は相対的にリスクは低いし、また、低くすることができる
○自分は投機はしない

多くの個人投資家がこのような認識のもと、株式投資をしていることと思いますが、この認識は、正しいと言えるのでしょうか。

多くの個人投資家にとっての共通の目的は「資産を増やす」ことだと思います。

この目的を達成するため、どんな銘柄があり、その企業はどんな事業をしていて、その業種の景況感は国内や海外でどんな状況か、どれだけの売上や利益があり、この先どのように伸びていくかといったことを分析していることと思います。

それと合わせて、PER、PBR、PSR、EPSなどの各種指標、発行株式数や浮動株式数、大株主の状況、空売りの状況、信用残といった需給状況。
移動平均線やMACD、一目均衡やポリンジャーバンドといったテクニカル指標…

更には、各国の金融政策や政治の状況、世界のマーケットの動向といったマクロ環境に関する「要素」も数多くあります。

挙げだしたらキリはありませんが、つまるところ、これらを調べて活用することで、株価が上がると思う銘柄を買い、下がると思うところを売っているのが、多くの個人投資家が実践していることではないでしょうか。

そうであれば、私たちは結局、値上がり益に期待しており、冒頭の農地のたとえ話によれば、日々、投機をしていることに変わりないとも言えるです。

「自分がやっていることは投資だ!」と思いこんで、実際にやっていることは投機に変わりない方はたくさん見かけますし、そういう人ほど、危うい取引を続けては、常に退場ラインに近いところにいるものです。

インカムゲインに思うこと

最近、ふと思うのは、インカムゲインとして見る「配当の状況」さえも株価を構成する要素に変わりないということです。
増配の発表により株価が上がるだろう、減配や無配で株価が下がるかも…といったことを踏まえて取引している一面もあるためです。
インカムゲインがキャピタルゲインの為の一要素となっている感じです。

3%の配当のために10%の株価下落を受け入れられるかと言われれば、そうでもありません。

そうしてみると、結局は、インカムゲイン重視で取引する個人投資家は少ない印象があります。

もちろん大口の個人投資家にとっては、例え3%でも大きな額となりますし、長い目で見れば、これを複利効果で運用していくことが一番のパフォーマンスを生むことになるのでしょうが…。

【投資と投機】の【目的と手段】

こうしてみると、個人投資家レベルでは、投資家なのか投機家なのかという議論に対して答えを持つことは、難しいことかと思います。

投資であれ、投機であれ、目的とそれを達成するための手段は同じだと感じるからです。

●目的→資産を増やすこと

●手段→株式を売買するor配当を得る


つまりは、投資であるか投機であるかという議論は、当人がどんな気持ちでやっているかという哲学的な話であり、どちらでもいいのです。

だからいつもこういう話は、いつまで経っても平行線のままなんですね笑

リスク管理について

一つ議論を置いていましたが、最後に「投機はリスクが高い」「投資はリスクが低い」といったような議論について。

株式投資においては、非常に多くのことを調べたうえで、それらの要素を、今のマーケットに合わせて、上手に活用することができなければ、他とのリスクの大小やギャンブル性について、比較・評価できるものではないと考えます。
そして、そこまで徹底的にやっている方は、あまり見たことがありません。

逆によく見かけるのは、ほんの一面だけしか調べていないにもかかわらず、「調べたからリスクは小さい」「自分のやり方は正しい」「自分は大丈夫」という方です。

もっと調べている人からすれば、
「AとBとCというリスクもあるけどどう考えてるの?それでもリスクはないと言える?」
「今はDという条件だったのが、Eになりそうだけど大丈夫?」
「Fという要素は無視してていいの?」
となってしまいます。

しかしながら、多くを考えすぎると、それがしがらみとなり、うまく取引ができなくなることもありますので、頭の片隅に置くという訓練をするだけでもよいでしょう。

いずれにしても、浅く狭く、中途半端に調べている程度では、投資のリスクがどうとか投機のリスクがどうとかといった比較や評価をしていても意味がないのになというのが正直な感想です。

2021年3月以降は

2020年4月以降は、マーケットそのものが様々なリスクを打ち消してくれていたので、特に気にする必要もありませんでした。

しかし、ここから先はまた同じような感覚でいると痛い目に合いそうだなと思える状況になってきたと感じています。
まだ私自身もマーケット全体を俯瞰的にしか見れていませんが、小さな火種がちょこちょこと出てきたなといった印象です。

また、マーケット全体が浮かれている時ほど、注意しなければならないというのは、歴史が一番の教科書でもあります。

「株式投資はリスクが低い」

「仮想通貨はギャンブルだ」

と考えている方ほど、もう少し深く広く考えてみて、今後の自身の取引について、今一度考えていきましょう。

ーおわりー

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個人投資家と言えど、プロが知っているような知識や情報は当然のように知っておかなければ負けるべくして負けてしまいます。
「THEO」のようにAIが自動で資産運用してくれるサービスもありますので、リスクヘッジの一つとして活用することをオススメしておきます。
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